野獣死すべし 松田優作(1980) 消えていく昭和の面影

今年の、11月に、所用で久しぶりに日本橋に出かけました。日本橋北詰めのコーヒーショップで打ち合わせを終えて、日本橋を高島屋側にわたると、いつもと微妙に景色が違います。よく見ると、西川ビルの一角が仮囲いで封鎖されています。

さらに、歩を進めて、交番の横を通り、茶色いタイル張りの御幸ビルと野村證券旧本社ビルの間の通りに入ると、御幸ビル側も仮囲いで囲まれています。野村證券も営業をしておらず、銘板関係もすべて外されています。平日の日中にも関わらず、人気のない異様な風景の通りを進んでいくと、野村ビルに工事の「解体工事のお知らせ」が掲示されていました。そこには、「日本橋一丁目中地区 既存建物等解体工事及び埋蔵文化財調査」との表記が・・・。

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スマホで検索してみると、「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」が既に開始されていることが書かれていました。この一角は解体され超高層ビルを中心としたエリアに生まれ変わるようです。

・三井不動産プレスリリース https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2020/1027/

野村ビルとこの通りは1980年公開の「野獣死すべし」で「東洋銀行」として印象的なシーンの数々が撮影されたロケ地でもあります。また一か所「昭和」の記憶が消えていくようで、少し寂しい気持ちにもなりました。(野村旧本社ビルの外観は保全される予定です)

 

野村證券 旧本社ビル
野村證券 旧本社ビル

 

野村證券旧本社 通用口
野村證券旧本社 通用口

 

他にも、「野獣死すべし」のロケ地である、日比谷公会堂は2016年以降大規模改修工事を前提とした使用休止中。“六本木のスクエアビル下の階段”もスクエアビルが既になくなってしまいました。

日比谷公会堂
日比谷公会堂
六本木スクエアビル下 階段
六本木スクエアビル下 階段   ※階段上のマンションの場所にスクエアビルがありました

 

日本銀行旧館
日本銀行旧館

これも、街として必要な新陳代謝だと考え、せめて、今の面影だけでも記録しておこうと、後日、改めて人の少ない早朝に動画を撮影しました。