大手メディアはなぜ一方的なのか

こんばんはHIDEです。

大手メディアの報道はなぜ、一方的なのか? 答えは、”視聴者が安心して叩ける「悪者」を求めている”からです。下記二つの例を挙げて説明します。

※Twitter中の4車線は2車線の誤りです。

TVはこの事故について、自転車側の「一時停止」無視を一切とりあげません。自転車は軽車両です。自動二輪車側が制限速度を超過していたとしても走行していたのが優先道路である以上、当初の過失は自転車側です。

ひき逃げをしたことで、当然自動二輪側が処罰対象になると思いますが、この事故を引き起こした直接の原因は間違いなく自転車側なのです。

 

この件でも、TVはゴーン氏批判一色です。カルロス・ゴーン氏の違法出国は国内法に基づいて追及の対象ではあるべきですが、そこに至る「司法手続き」の問題点については以前(前世紀)から国連において再三「懸念と是正勧告」を受けていますが、無視し続けています。さらに、アメリカからも国務省民主主義・人権・労働局の2018年の調査報告において刑事手続きについて相当数指摘されています。

 

ニュースの制作過程では「視聴者に伝える情報」も映像の編集作業と同様に「取材した情報全部」(素材)から取捨選択して、整理してから放送します。

「ひき逃げ事件」の構成

オートバイに乗っていたのはお年寄りをひき逃げした「悪者」、”罪もないお年寄り”は「被害者」です。さらに、衝撃映像をつければ1分20秒程度で、視聴者が瞬間的に理解できる、「共感を呼ぶニュースが」完成します。

仮に、お年寄りの一時停止無視に言及すると、必要な時間が倍以上になり、状況が複雑になることで、視聴者が瞬間的に理解できない為、感情移入しにくいニュースになってしまいます。つまり「どっちが悪いの!?」です。

「カルロス・ゴーン氏会見」の構成

保釈条件(法律)を破って国外逃亡したあげく、会見まで開いて日本政府からも非難されている「悪者」ゴーン氏、せっかく保釈してあげたのに、裏切られてしまった、気の毒な「我が国 日本」。

ここで、「日本の司法手続きの問題点」を取り上げると上記同様「どっちが悪いの!?」になってしまいます。

 

視聴者の共感を得るには、TVの時代劇なみの事件の”解りやすさ”と、それに伴う”安心して叩ける「悪者」”が必須です。また、それらは「視聴率」に直結します。スポンサー離れの進むTV局ではニュースといえども例外ではありません。

つまり、大手メディアの報道が一方的になる理由はニュースの本質的なところではなく、その時点での視聴者の反応を期待してのものです。なので、一度報道したあと、風向きが変わった場合、例えば、日本の司法手続きの問題が世界的に取り上げられ、政府が本格的に改革に乗り出した場合、今度は日本の司法手続きがいかにひどいものであるかを声高に「報道」することになるのです。

いまではSNSの発達によりメディアの情報を鵜呑みにする人は相対的に少なくなりました。それでも、大手メディアの影響はまだまだ大きいものがあります。やはり、優秀な人材と制作ノウハウ、社会的信用も桁違いです。ワイドショーはともかくとして、夜のメインニュースくらいは大手メディアならではのクウォリティーで見せてもらいたいですね。

 

 

 

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